Mr.QULEの気まぐれノート

「好きなときに好きなことを」バルサのことを中心に書いていきたいと思います

アラウホは頑張ってた

こんにちは、Mr.QULEです。

 

マジョルカ戦のアラウホについて、ビルドアップの視点から書いていきたいと思います。

 

結論から言いますと

 

置かれた環境が良くない中、アラウホは頑張ってた」

 

というところです。

それではアラウホが置かれた環境とはどのようなものであったのか。これから書いていこうと思います。

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リーガが再開され、その最初の試合であるマジョルカ戦。ラングレが出場停止の中、ピケの相方として選出されたのはプリメーラ初スタメン(途中出場含めても2試合目)となるアラウホでした。

キケ・セティエンはウムティティのコンディションに対して不満を持っていたそうですが、余程だったんだなあと感じます。ウムティティ頑張れ。

 

何度も言いますが、アラウホは与えられた環境の中で頑張っていたと、個人的には思います。

しかしアラウホのパフォーマンスには賛否両論。

批判的な意見について、特にビルドアップの観点からは、「バックパスが多い」「前にパスを出せ」という批判が多かったような気がします。

 

しかし、アラウホがバックパスを選択していたのには理由があるはずです。

それは以下の二つです。

  • 右利きのアラウホが左のセンターバックをしていたこと
  • ジョルディのポジショニング

 

個人的な話で、僕は大学でサッカー選手における利き足と逆足(非利き足)の関係について研究しているので、利き足とポジションの関係や、逆足の使い方には結構注目しているんですよね。

そのような観点から、やはり「右利き選手が左のセンターバックをするのはかなり難しい」と言えます。

 

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ドン!今回はfootballtacticsを使用しました!

 

はい、これがマジョルカ戦の状況です。

守備側は基本的に内側からプレスをかけてきますよね。そのような相手に気をつけながら、前を向いた場合、右足でしっかりパスを出せるのは主に黄色に色塗りされている範囲になります。

さらに気にして、相手から逃げるように外側を向けば、その範囲はさらに狭くなっていきますね。

 

一般的にボールキープをする鉄則として、「相手から遠い方の足でボールを持つ」ということが、そのひとつに挙げられます。この場合は左足、つまりアラウホからすれば逆足ということになります。左利きの選手に比べ、相手を引きつけることが難しくなるのです。また、一度中盤に当てるにも、落としを受けるのは逆足である左足になってしまいそうです。

 

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それでは内側を向き、パスを出せる範囲を広げてみましょう。黄色の範囲なら右足でボールを蹴れそうですね。

しかし相手を見てみてください。真っ正面にいます。ということは、この状況からはドリブルで運ぶことが出来ませんので、解決策にはなりにくいです。

 

それでは解決策はどのようなものになるでしょうか。

 

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よく見る形としては、図のように、右利きの選手が左のセンターバックをしている場合、左サイドバックが低い位置を取り、パスコースを作ってあげます。そしてそこから打開するか、パスを出した後のセンターバックが再び低い位置を取り、相手から距離を離してボールを受けた後、展開します。

 

ここで、二つ目の理由である「ジョルディのポジショニング」に関する話が浮上してきます。ジョルディはどのようなポジショニングを取っていたでしょうか。

ウムティティやラングレが左のセンターバックを務めた時と同様の高い位置を取っていました。

 

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もしアラウホではなく、ウムティティやラングレ(図はウムティティ)のような左利きの選手なら、高い位置を取ったジョルディにパスを出すことも、さほど難しいことではないと思います。

 

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しかし、右利きのアラウホの場合は話が変わってきますね。右足で高い位置を取ったジョルディにパスを出そうとすれば、相手に引っかかる可能性は高くなってしまいます。

その代わりに中盤が下がるという手もあるのですが、それもこの試合では不十分に見えました。

 

つまり、「確実に出せるパスコース=逃げ場」がアラウホにはありませんでした。

その状態で、ボールを保持しながら、前方へのパスコースを探すことは右利きのアラウホにはかなり難しいと思われます。困ったときのロングキックも、右足でやろうとすると、足を大きく振っている間に、相手につつかれやすくなりますし。

 

その状態でアラウホが出した最善の策は、「早めの判断でテアにバックパスし、建て直す」ことでした。

テアのような足下の技術のGKなら、下手に苦しい中でやりくりするよりも、建て直した方が良いかもしれませんからね。テアにも拍手を送りたい。

 

右利きの選手による左センターバック。。。

 

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プジョルもそうでしたね。昔の試合を見返すと、プジョルは、アラウホ状態にならぬ様、サポートを受けていて、それが十分ではないとき、苦しんでいたように思います。

もちろん両足を使えればある程度はクリア出来るのですが、まあ現実性は低いですよね。選手によってやり方を変えるのも、チームには求められてきます。

 

はい、以上がアラウホがバックパスを多様した背景の考察になります。

置かれた環境が良くない中、アラウホは頑張ってた」

僕はこのように思っていますが、皆さんはどうでしょうか。

ぜひ、感想などいただけたらなと思います。もちろん体裁的なところでも大歓迎です。

 

初めての考察系、なんとか書き終えました。やってみると結構楽しいです。

 

というわけでありがとうございました!またお願いします!